潰瘍性大腸炎と薬~炎症範囲と重症度で変わる治療法~

潰瘍性大腸炎の治療って、一言で言うと「ケースバイケース」。炎症がどの部分にどれくらいあるか、症状の重さによって薬や治療法が変わる。今回は軽症から手術まで、治療の流れをまとめてみた。


軽症:直腸や左側結腸だけに炎症がある場合

軽症の潰瘍性大腸炎は、炎症が直腸や左側結腸(大腸の左側)だけに限られている場合が多い。症状は軽い下痢や少量の血便など。

主な薬:

  • 5-ASA製剤(アミノサリチル酸系)
    • ペンタサ(錠剤、坐薬、注腸)
    • リアルダ(錠剤、1日1回でOK)
    • アサコール(錠剤)

直腸だけに炎症があるなら坐薬や注腸が効果的。リアルダは1日1回服用だから手間が少なくて使いやすい。

副作用:
吐き気や頭痛、腹痛が稀に出るけど、比較的副作用は少ない薬。


中等症:大腸全体に炎症が広がる場合

症状が悪化して、大腸全体に炎症が広がった場合。下痢や血便が増え、体力も落ちる。

主な薬:

  • 5-ASA製剤(服用量を増やす)
  • ステロイド(プレドニゾロンなど)
    短期間で炎症を抑えるけど、副作用(ムーンフェイス、不眠、骨粗しょう症)があるので、長期使用は避ける。
  • 免疫調節薬(アザチオプリン、メルカプトプリン)
    炎症を長期的に抑えるけど、効果が出るまで数週間~数ヶ月かかる。白血球減少や感染症リスクがある。

重症:大腸全体に炎症が広がり、症状がコントロール不能な場合

重症になると、下痢の回数が1日10回以上、発熱や体重減少も出てくる。

主な薬:

  • 生物学的製剤(点滴や皮下注射)
    免疫反応をピンポイントで抑える新しいタイプの薬。
    • レミケード(点滴)
    • ヒュミラ(皮下注射)
    • ステラーラ(点滴から皮下注射へ移行)
    • エンタイビオ(腸に特化した点滴)
  • JAK阻害薬(リンヴォック、ゼルヤンツ)
    免疫を抑える飲み薬で、生物学的製剤と似た作用。
  • ステロイド点滴
    高用量を短期間で点滴投与することで、急性の炎症を抑える。

入院治療

重症化した場合や薬が効かない場合、入院治療が必要になることがある。入院では以下のような治療が行われる:

  • 絶食療法
    腸を休めるために一時的に絶食し、点滴で栄養を補給する。
  • 高カロリー輸液
    中心静脈に直接栄養を入れる方法で、腸を完全に休ませることが目的。
  • 強力な薬物治療
    生物学的製剤や高用量のステロイドを投与し、症状を観察しながら治療を進める。

薬が効かない場合:手術の選択肢

薬でコントロールできない場合は手術が必要になることもある。潰瘍性大腸炎の手術にはいくつかの種類がある:

(1) 大腸全摘出術(標準手術)

大腸をすべて切除する手術で、症状を完全に取り除くことが可能。術後は人工肛門(ストーマ)やJポーチを作ることで排泄を補助する。

  • 人工肛門(ストーマ)
    一時的または永久的に腹部に排泄口を作る方法。
  • Jポーチ手術
    小腸を利用して「袋」を作り、肛門につなげる方法。自然排便が可能になることが多い。

(2) 部分切除手術

炎症が特定の箇所に限られている場合に、そこだけを切除する手術。

手術の注意点:
手術で症状が完全に治るケースも多いけど、体に大きな負担がかかるため、医師との十分な相談が必要。


寛解期:症状が落ち着いているときも治療は継続

症状が落ち着いているときでも治療をやめると再燃のリスクが高まる。特に5-ASA製剤や免疫調節薬、生物学的製剤は継続使用が重要。


まとめ

潰瘍性大腸炎の治療は症状の重さや炎症範囲に応じて多岐にわたる。薬が効かない場合でも、入院治療や手術という選択肢があるから、希望を持って治療を続けていくことが大切だ。

治療法に迷ったら、主治医と相談して自分に合った方法を見つけよう!

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この記事を書いた人

「経歴」
浪人 → 理系学部卒 → システムエンジニア
「趣味」
サッカー、読書、旅行、K-POP
(特に aespa。推しは ニンニン)
「潰瘍性大腸炎との歩み」
大学入学時に全大腸炎型の潰瘍性大腸炎を診断されるも、リアルダ4錠を服用しながら順調な大学生活を送る。しかし大学4年時、卒論提出直前に再発。元日に入院し、10日間で退院。その後、3か月は症状を抑える。しかし社会人になり、働き始めて2週間後に再発。現在までステロイド治療を継続しながら療養中。約1年間、完全な寛解に至っていない現状と向き合い続けている。
「新たな挑戦」
1年間安静にしても寛解しない中で、「病気と共存しながら人生を楽しむ」ことを決意。ブログを開設し、「潰瘍性大腸炎の不安を一人で抱え込まない」 をモットーに、自身の経験や考えを発信し、同じ病気に悩む方へ勇気と笑顔を届けていく。

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