潰瘍性大腸炎とコレチメント

潰瘍性大腸炎の治療にはさまざまな薬が使われるが、2023年9月に新しく登場した「コレチメント」という経口ステロイドがある。俺自身、これまでに2回、計4ヶ月間コレチメントを服用した経験がある。そこで今回はこの「コレチメント」について、実際に使ってみた感想をメインにメリット・デメリットの両面から紹介していきたいと思う。これからコレチメントを使用する方やコレチメントについて知りたい方の参考になれば幸いだ。それでは早速見ていこう。

目次

コレチメントとは?

コレチメントは、これまで使われてきた全身に効くステロイドとは違い、大腸に特化して作用する経口ステロイドだ。通常のステロイドは、服用すると全身に効果が広がるため、強い抗炎症作用がある反面、副作用も多かった。

一方で、コレチメントは大腸でのみ効果を発揮するように作られており、全身への影響が少ないとされている。また、即効性はなく、ゆっくりと効果が出るタイプの薬であるため、急な症状の改善には向かないが、副作用を抑えながら炎症を抑えることができるのが特徴だ。

図1:コレチメント錠9mg

コレチメントのメリット

1. 1日1回の服用で済む手軽さ&飲み忘れを防止出来る

潰瘍性大腸炎の薬では複数回服用する必要があるものも多い中、コレチメントは1日1回、朝に飲むだけでよい。この手軽さは、忙しい日常の中で非常にありがたいポイントだった。また1日1回の為、飲み忘れを防ぐことが出来るのもメリットだ!

2. 副作用が通常のステロイドより少ない

全身に作用する従来のステロイドは、ムーンフェイス(顔が丸く膨らむ)、ニキビ増加、骨粗しょう症、血糖値の上昇、筋力低下など多くの副作用がある。しかし、コレチメントは大腸に限定的に作用するため、これらの副作用が軽減されるとされている。

実際に俺が服用したときも、ムーンフェイスやニキビ増加は少しあったが、軽度であったし、中止したらすぐに元通りの顔になった。また、手足のむくみや異常な食欲増加もほとんど感じなかった。

コレチメントのデメリット

1. 効き目がゆっくりで即効性がない

通常のステロイドは服用後すぐに効果が現れることが多いが、コレチメントはじわじわと効いてくるタイプの薬だ。そのため、「今すぐ炎症を抑えたい!」という場合には向いていない。

俺の場合も、飲み始めてから効果を感じるまでに1~2週間ほどかかった。また、症状がひどいときは、さらに時間がかかり、この遅さがもどかしく感じることもあった。

2. 結局はステロイドなので副作用はある

通常のステロイドより副作用は少ないとはいえ、コレチメントも結局はステロイド。完全に副作用がないわけではない。

俺が感じた副作用は以下のようなものだ。

  • ムーンフェイス:通常のステロイドよりは軽いが、顔が少し丸くなった。
  • ニキビ増加:長期的に使用すると、通常では現れない部分などにもニキビが発生した。
  • 筋力低下(特に脚):長期間の使用で足の筋力が落ち、階段の昇り降りがきつくなった。
  • 感情のコントロールが難しい:些細なことでイライラしやすくなったり、気分が落ち込みやすくなった。

特に筋力低下と感情のコントロールは意外と影響が大きく、日常生活でもふとしたときに「あれ、こんなに足が疲れやすかったっけ?」や「なんでこんなにイライラしてしまうんだろう」と感じることがあった。

まとめ

コレチメントは、大腸に特化して効く新しい経口ステロイドで、全身性の副作用が抑えられるのが大きなメリットだ。ただし、即効性がないため、すぐに症状を改善したい場合には向いていない。また、通常のステロイドより副作用は少ないとはいえ、完全になくなるわけではない。

実際に使ってみた感想としては、「ステロイドの副作用はできるだけ避けたいけれど、どうしても炎症を抑えたい」という人には選択肢の一つとしてアリだと思う。ただし、効き目がゆっくりなので、焦らずに様子を見ながら使うことが大切だ。

潰瘍性大腸炎の治療は人それぞれ合う薬が違うので、主治医の方と相談しながら自分に合った治療法を見つけていくことが重要だ。

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この記事を書いた人

「経歴」
浪人 → 理系学部卒 → システムエンジニア
「趣味」
サッカー、読書、旅行、K-POP
(特に aespa。推しは ニンニン)
「潰瘍性大腸炎との歩み」
大学入学時に全大腸炎型の潰瘍性大腸炎を診断されるも、リアルダ4錠を服用しながら順調な大学生活を送る。しかし大学4年時、卒論提出直前に再発。元日に入院し、10日間で退院。その後、3か月は症状を抑える。しかし社会人になり、働き始めて2週間後に再発。現在までステロイド治療を継続しながら療養中。約1年間、完全な寛解に至っていない現状と向き合い続けている。
「新たな挑戦」
1年間安静にしても寛解しない中で、「病気と共存しながら人生を楽しむ」ことを決意。ブログを開設し、「潰瘍性大腸炎の不安を一人で抱え込まない」 をモットーに、自身の経験や考えを発信し、同じ病気に悩む方へ勇気と笑顔を届けていく。

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