潰瘍性大腸炎と東洋医学 ~はり灸~(7回目)

目次

はじめに

潰瘍性大腸炎は、完治が難しく、長く付き合っていく必要がある病気。多くの人が西洋医学の薬で症状をコントロールしているけど、それでも寛解と再燃を繰り返すことが多い。じゃあ、薬以外に何かできることはないのか?

俺がネットやSNSや書籍を見ると、どうやら 東洋医学、特に はり灸(鍼灸) が効果的らしい。実際にはり灸を受けた人の口コミでは「はり灸で潰瘍性大腸炎の症状が落ち着いた!」というコメントがいくつもあった。

そこで俺は、効果を検証するために東洋医学~はり灸~を受けに行っている。今回は7回目を受けてきた結果報告だ。またその前に東洋医学とは何か、はり灸が潰瘍性大腸炎にどう関係するのか、実際の施術や効果についておさらいしていきたいと思う。それでは早速見ていこう。

※1回目の記事はこちら↓

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※6回目の記事はこちら↓


東洋医学とは?

東洋医学は、中国をはじめとするアジア圏で発展してきた伝統医学。
現代の 西洋医学は病気の原因を取り除くアプローチ をするのに対し、東洋医学は 「体全体のバランスを整え、自然治癒力を高める」 という考え方。

具体的には、

  • 気・血・水のバランスを整える(体のエネルギーや血液、体液の流れを調整)
  • 「証(しょう)」を見極める(患者の体質や状態を細かく判断)
  • はり灸・漢方・気功などを使って治療

潰瘍性大腸炎のような慢性炎症性疾患は、西洋医学の薬だけでは対応しきれないことも多い。だからこそ、東洋医学の「体全体を調整するアプローチ」に可能性を感じる人もいる。


はり灸とは?

はり(鍼) → 細い針をツボに刺して、気や血の流れを整える治療法。
灸(きゅう) → ヨモギを使ったお灸でツボを温め、血流を促進させる治療法。

はり灸の目的は、 自律神経を整え、免疫バランスを調整し、体の治癒力を高めること。
特に潰瘍性大腸炎のような ストレスや免疫異常が関係する病気 には、はり灸が有効だと言われている。


はり灸と潰瘍性大腸炎の関係性

俺が施術者の方に効いた情報によると、東洋医学では、五臓六腑で体の関連性を考える。潰瘍性大腸炎患者と関連深いのは「肺」「大腸」「鼻」であり、潰瘍性大腸炎以外にもこれらの部位に関連する不調が多いという。実際、問診ではアレルギー性鼻炎(花粉症)、便秘、下痢、睡眠障害、末端冷え性、腰痛などの項目に俺は該当したが、まさにこれらの症状の多くは「肺」「大腸」「鼻」に関連しており、潰瘍性大腸炎患者の特徴であるという。

図1 五臓六腑

今見てきた、上記の症状(特に潰瘍性大腸炎)をはり灸で改善していくという。そこではり灸の具体的な効果を以下に示めす。

① 自律神経の乱れを整える

潰瘍性大腸炎の悪化には、自律神経が大きく関わっている。特に 交感神経が優位になると腸の炎症が悪化しやすい。はり灸は副交感神経を優位にし、リラックス状態を作ることで炎症を抑える効果が期待できる。

② 血流を改善し、腸の働きをサポート

腸の不調は血流の悪さと関係が深い。特に「お腹が冷えやすい」「ストレスで胃腸が硬くなる」という人には、お灸が効果的。血行を良くすることで、腸の動きがスムーズになり、症状の緩和につながる。

③ 免疫バランスを整える

潰瘍性大腸炎は 免疫の異常 が原因の一つ。はり灸は 免疫の過剰な働きを抑え、バランスを取る効果 があるとされている。


実際の施術

実際に潰瘍性大腸炎で はり灸治療を受けると、どんなことをするのか?

① 体質チェック(問診・脈診)

最初に 「証(しょう)」を診る ために、体の状態を細かくチェックする。

  • 現在の体の不調に関する問診
  • 脈の強さやリズム
  • 体の冷えやコリ

② ツボへの施術

潰瘍性大腸炎の人に使われる代表的なツボに「はり」を刺したりや「お灸」を施す。

はり は細い針をツボに刺す。人によってはじんじん響く痛みがあるらしい。(俺はそこまで感じなかった。)
お灸 は温めることで血流を促し、腸の冷えや免疫のバランスを整える。ちなみに今回は首の後ろにお灸を施した。

③ 施術後の注意点

はり灸を受けた後は、 血流が良くなるため、眠気やけだるさを感じることがあるらしい。ちなみにこれは施術がしっかり効いている証拠らしい。
また、一度の施術で劇的に良くなるものではなく、 定期的に通うことで効果を実感しやすくなるらしい。体の機能が回復するのに120日かかるらしいので、3~4か月をめどに不調の改善を実感するという。また、施術頻度に関して、最初の数回は1~2週間に一回、その後は1か月に一回のペースで受けると良いという。


実際に施術を受けてみてのはり灸の効果や感想(7回目)

今回で通算7回目ということもあり、2回目,3回目,4回目,5回目,6回目と同様に施術は早く感じた。(それでも1時間くらい施術を行なっていた。)今回も大きな変化があった。症状がだいぶ落ち着いてきたのだ!

ここ1週間は徐々に腹痛の回数、トイレの回数が減ってきた。高カカオチョコ、青汁、腹巻など、健康に良さそうなものを一切やめ、シンプルな和食生活をしていたら落ち着いてきた。今現状の感覚としてもうすぐ寛解する気がしているのだ!前回からの変化として、粉状の便→泥状の便、ほぼ粉状の血→粘血便、肛門周りの荒れがトイレの回数が減ったこともあり落ち着いてきた。夜18時~朝6時にかけて1~2時間に1回腹痛により目覚めてしまう→夜12~朝5時にかけて1回~2回便意で目覚めるに変わった(ちなみに腹痛度はかなり落ち着いている)。お腹の張りもだいぶ消えている。

1日基本3食食べられるようになり、体力面も少しずつ回復している。ただそうはいっても、まだ粘血便状の下痢ではあるので、うまく栄養吸収が出来ていないのか、外に出てると体力的にしんどかったり、食事をとっているのにお腹がすくといったこともあるのが事実だ。

7回目を終えて、5回目から引き続き、明らかに身体が変わり始めている。しかも良い方向に。改めて整理すると、主に①粘血便状の下痢(血の量は減っている)②腹痛度合いの明らかな減少。③腹痛頻度&排便頻度の明らかな減少が症状だろうか。今週も引き続き王道の道を淡々と進み、このまま寛解に向かうように継続していく。

※因みに、いつも両足の外くるぶし頂点のアキレス腱側からは手の第二関節7本分上のところにシール鍼を貼ってもらっているのだが、今回は脈拍を測ってもらい、追加で乳輪の上側を結んだ線とへそから垂直に上がった線の交差するところにもシール鍼を貼ってもらった。また、施術後のけだるさはいつの間にかなくなっていた。恐らく第5回か第6回の施術後から既にけだるさのようなものは消えていたと思われる。恐らく身体が鍼灸に慣れたのだろう。

※王道に関する記事は以下を参照↓

※参考:鍼灸師の方との会話の備忘録

以下は鍼灸師の方の意見をまとめたものであり、西洋医学的なエビデンスがない部分も多くございます。その為、参考程度に見ていただければと思います。

ちょっとしたことから体調を崩すリスク

第5回~第6回の鍼灸期間中に、私は高カカオチョコレート、青汁、腹巻という巷では健康といわれているものを好奇心から試しました。結果症状が悪化してしまったのですが、それらをこの1週間一切やめ、王道の和食生活のみに戻したら何とかリカバリーすることが出来ました。鍼灸師の方曰く、こういうちょっとしたことから症状が悪化して、ズルズル引きづってしまう方もいるとのこと。今後はこういったことにも注意して食事や生活を送っていきたいです。
(結局「和食」が安パイです笑

鍼灸を始めた後の薬との付き合い方

潰瘍性大腸炎の薬を飲んでいる人が、鍼灸を取り入れた後に薬をやめるかどうか。これは結構気になるポイントだと思います。

実際には、多くの人が「症状が落ち着いてから」薬をやめているそうです。その理由としては、これまで薬で症状をコントロールしてきたという安心感と、西洋医学の医師への信頼があるため。やめることで再発したら怖い、という不安があるからこそ慎重になるようです。

ただ、鍼灸や東洋医学、薬や西洋医学について自分で調べて納得している人は、症状が完全に落ち着く前でも薬をやめるケースもあります。ちなみに、施術してくれる鍼灸師さんの中には「薬を慢性的に使うのは意味がないからやめていい」という考えの方もいらっしゃいます。

そして面白いのは、薬をやめたタイミングに関係なく、薬をやめた人の方が再発率が低い印象があるという点。薬は即効性があるため、症状がひどいとき(急性的な症状)には有効だけど、慢性的に使うことにはあまり意味がない、というのが鍼灸師さんの考えです。


良くなってきたら、鍼灸はどのくらいの頻度で通うの?

これも人によります。中には治ったらパタッと来なくなる人もいますし、月に1回、2ヶ月に1回くらいのペースでメンテナンスに通う人もいます。再発したタイミングでまた来るというスタイルの人も。

ある鍼灸院の先生は、「最強の健康予防は鍼灸・漢方・食事。それに適度な運動を加えるとさらに良い」と言っているそうです。

マイナスを0まで、つまり症状が安定するまでは鍼灸に定期的に通った方が良いというのが基本的なスタンス。ただし、調子が良くなってきたら、あとは自分の生活の中で血流を良くしていけるようにすることが大切。0からプラスにするのに運動などで代用できる人は、鍼灸に通わなくても大丈夫です。


良くなったあと、またぶり返す人は?

残念ながら、やはりいます。特に、食事や生活の乱れで体の血流が悪くなった人や、鍼灸で良くなったあとも薬を飲み続けている人は、再発するリスクが高い傾向にあるそうです。


漢方もオススメ!でも使い方に注意

鍼灸師さんいわく、漢方もとても効果的。ただし、西洋医学の薬と同じように、「この症状にはこの漢方」みたいな選び方はあまり良くないとのこと。

漢方は「その人の体質」に合わせて使うもの。そのため、自分で選ぶよりも、ちゃんと見立てられるプロに診てもらった方が安心です。

施術師さんが信頼している漢方の専門家もいらっしゃるそうで、紹介も可能とのことでした。


ちょっと余談:男性脳・女性脳の違い

鍼灸の院で聞いた面白い話。買い物のときの男女の行動に違いがあるそう。

男性は目的のものを一直線に探しに行くタイプ。他の情報はあまり見ない。

一方、女性は目的のものを探す前に、目的のもの以外の周囲の情報をいろいろチェックするそう。「本当に欲しいもの」を見定めるウォーミングアップをしているような感じだそうです。

上記を知っておくだけで、男女での買い物のストレスを減らすことが出来るのだそうです笑

まとめ

  • 東洋医学は 「体全体のバランスを整え、自然治癒力を高める」
  • はり灸は自律神経を整え、腸の働きをサポートする効果が期待できる。
  • 免疫バランスを調整し、ストレスを軽減することで、症状の安定につながる可能性がある。
  • ただし、即効性はなく、継続的に通うことが大切。
  • 7回目で症状がだいぶ収まってきた!
  • 主な症状は
    ①粘血便状の下痢(血の量は減っている)
    ②腹痛度合いの明らかな減少
    ③腹痛頻度&排便頻度の明らかな減少
  • 引き続き王道の道を淡々と進むだけ

潰瘍性大腸炎は長く付き合う病気だからこそ、薬だけに頼らず、東洋医学も選択肢のひとつとして考えてみるのもアリ。興味があれば、一度専門のはり灸院で相談してみるのもいいかもしれない。また、今後のはり灸の効果に関しては随時更新する予定なので、お楽しみに!

※王道に関する記事は以下を参照↓

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この記事を書いた人

「経歴」
浪人 → 理系学部卒 → システムエンジニア
「趣味」
サッカー、読書、旅行、K-POP
(特に aespa。推しは ニンニン)
「潰瘍性大腸炎との歩み」
大学入学時に全大腸炎型の潰瘍性大腸炎を診断されるも、リアルダ4錠を服用しながら順調な大学生活を送る。しかし大学4年時、卒論提出直前に再発。元日に入院し、10日間で退院。その後、3か月は症状を抑える。しかし社会人になり、働き始めて2週間後に再発。現在までステロイド治療を継続しながら療養中。約1年間、完全な寛解に至っていない現状と向き合い続けている。
「新たな挑戦」
1年間安静にしても寛解しない中で、「病気と共存しながら人生を楽しむ」ことを決意。ブログを開設し、「潰瘍性大腸炎の不安を一人で抱え込まない」 をモットーに、自身の経験や考えを発信し、同じ病気に悩む方へ勇気と笑顔を届けていく。

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