はじめに
潰瘍性大腸炎は、完治が難しく、長く付き合っていく必要がある病気。多くの人が西洋医学の薬で症状をコントロールしているけど、それでも寛解と再燃を繰り返すことが多い。じゃあ、薬以外に何かできることはないのか?
俺がネットやSNSや書籍を見ると、どうやら 東洋医学、特に はり灸(鍼灸) が効果的らしい。実際にはり灸を受けた人の口コミでは「はり灸で潰瘍性大腸炎の症状が落ち着いた!」というコメントがいくつもあった。
そこで俺は、効果を検証するために東洋医学~はり灸~を受けに行っている。今回は9回目を受けてきた結果報告だ。またその前に東洋医学とは何か、はり灸が潰瘍性大腸炎にどう関係するのか、実際の施術や効果についておさらいしていきたいと思う。それでは早速見ていこう。
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東洋医学とは?
東洋医学は、中国をはじめとするアジア圏で発展してきた伝統医学。
現代の 西洋医学は病気の原因を取り除くアプローチ をするのに対し、東洋医学は 「体全体のバランスを整え、自然治癒力を高める」 という考え方。
具体的には、
- 気・血・水のバランスを整える(体のエネルギーや血液、体液の流れを調整)
- 「証(しょう)」を見極める(患者の体質や状態を細かく判断)
- はり灸・漢方・気功などを使って治療
潰瘍性大腸炎のような慢性炎症性疾患は、西洋医学の薬だけでは対応しきれないことも多い。だからこそ、東洋医学の「体全体を調整するアプローチ」に可能性を感じる人もいる。
はり灸とは?
はり(鍼) → 細い針をツボに刺して、気や血の流れを整える治療法。
灸(きゅう) → ヨモギを使ったお灸でツボを温め、血流を促進させる治療法。
はり灸の目的は、 自律神経を整え、免疫バランスを調整し、体の治癒力を高めること。
特に潰瘍性大腸炎のような ストレスや免疫異常が関係する病気 には、はり灸が有効だと言われている。
はり灸と潰瘍性大腸炎の関係性
俺が施術者の方に効いた情報によると、東洋医学では、五臓六腑で体の関連性を考える。潰瘍性大腸炎患者と関連深いのは「肺」「大腸」「鼻」であり、潰瘍性大腸炎以外にもこれらの部位に関連する不調が多いという。実際、問診ではアレルギー性鼻炎(花粉症)、便秘、下痢、睡眠障害、末端冷え性、腰痛などの項目に俺は該当したが、まさにこれらの症状の多くは「肺」「大腸」「鼻」に関連しており、潰瘍性大腸炎患者の特徴であるという。

図1 五臓六腑
今見てきた、上記の症状(特に潰瘍性大腸炎)をはり灸で改善していくという。そこではり灸の具体的な効果を以下に示めす。
① 自律神経の乱れを整える
潰瘍性大腸炎の悪化には、自律神経が大きく関わっている。特に 交感神経が優位になると腸の炎症が悪化しやすい。はり灸は副交感神経を優位にし、リラックス状態を作ることで炎症を抑える効果が期待できる。
② 血流を改善し、腸の働きをサポート
腸の不調は血流の悪さと関係が深い。特に「お腹が冷えやすい」「ストレスで胃腸が硬くなる」という人には、お灸が効果的。血行を良くすることで、腸の動きがスムーズになり、症状の緩和につながる。
③ 免疫バランスを整える
潰瘍性大腸炎は 免疫の異常 が原因の一つ。はり灸は 免疫の過剰な働きを抑え、バランスを取る効果 があるとされている。
実際の施術
実際に潰瘍性大腸炎で はり灸治療を受けると、どんなことをするのか?
① 体質チェック(問診・脈診)
最初に 「証(しょう)」を診る ために、体の状態を細かくチェックする。
- 現在の体の不調に関する問診
- 脈の強さやリズム
- 体の冷えやコリ
② ツボへの施術
潰瘍性大腸炎の人に使われる代表的なツボに「はり」を刺したりや「お灸」を施す。
はり は細い針をツボに刺す。人によってはじんじん響く痛みがあるらしい。(俺はそこまで感じなかった。)
お灸 は温めることで血流を促し、腸の冷えや免疫のバランスを整える。ちなみに今回は首の後ろにお灸を施した。
③ 施術後の注意点
はり灸を受けた後は、 血流が良くなるため、眠気やけだるさを感じることがあるらしい。ちなみにこれは施術がしっかり効いている証拠らしい。
また、一度の施術で劇的に良くなるものではなく、 定期的に通うことで効果を実感しやすくなるらしい。体の機能が回復するのに120日かかるらしいので、3~4か月をめどに不調の改善を実感するという。また、施術頻度に関して、最初の数回は1~2週間に一回、その後は1か月に一回のペースで受けると良いという。
実際に施術を受けてみてのはり灸の効果や感想(9回目)
今回で通算9回目ということもあり、2回目,3回目,4回目,5回目,6回目,7回目,8回目と同様に施術は早く感じた。(それでも1時間くらい施術を行なっていた。)今回は5月頭から約半月続いてきた地獄のような症状が一旦下火になった感じだった!(肛門周囲膿瘍も痔ろうに遷移せずに済んだ!)
※肛門周囲膿瘍に関する記事は以下を参照↓
便の回数は日中に1~2回、寝ている間に2回前後という感じ。便の形状は基本下痢状態で、血便は鮮血のときもあれば、黒っぽいときもあった。ご飯もだいぶ食べれるようになってきたし、今週1週間は休むことなく働けもした。
5月前半の体調変化とその理由〜症状悪化か、瞑眩反応か〜
5月の頭からの約半月、本当にいろんなことがあった。
まず思い当たるのは、いくつかの「ミス」。食事面ではハイカカオチョコを少し多めに食べてしまったり、青汁を試してみたりと、普段とは違うものを口にしてしまった。そして、腹巻を買って内臓を温めてみたけど、息苦しく、低酸素になってしまいそこでも体に余計な負担をかけてしまった。また、下痢状態で湯船につかったのも肛門周囲膿瘍誘発に関わっていたに違いない。
さらに、一時的ではあるけれど、薬をやめていた期間もあった。断薬の理由については話すと長くなるので、これは別の記事にしっかりまとめようと思っている。とにかく、食事ミス、腹巻対策ミス、湯船ミス、そして断薬。この4つの要素が合わさって、間違いなく症状の悪化を引き起こしていた…そう感じていた。
ただ、今になって冷静に振り返ってみると、「あれ、本当に症状の悪化だったのか?」と思うようになってきた。
実は、5月前半に感じていたあの強めの症状たち——お腹の不快感、便の乱れ、血便や腹痛のようなもの——それって、東洋医学でよく言われる“瞑眩反応(めんげんはんのう)”だったんじゃないか?という仮説が浮かんできた。
瞑眩反応っていうのは、鍼灸とか漢方とか、東洋医学的なアプローチを取り入れたときに現れる、いわゆる「好転反応」のこと。つまり、体が本来の健康な状態に戻っていく過程で、一時的に悪く見える症状が出ることがある、っていう考え方だ。
実際、俺の生活に劇的な変化があったわけじゃない。確かに少し食べるものを変えたり、薬を止めてみたりはしたけど、それだけで今まで出てなかったような強い症状が一気に出るとは思えない。逆に、体が変わろうとしているサイン——つまり、瞑眩反応だと捉える方が自然なんじゃないか、と。
もちろん、この時期の変化を「ただの症状悪化だった」と見るか、「瞑眩反応だった」と見るかは、最終的には今後の体調次第でわかること。ただ、俺が今までに読んできた東洋医学や免疫学の本、実際に施術を受けてきた経験を照らし合わせると、やっぱり瞑眩反応の可能性が高い。
こういうときって、「潰瘍性大腸炎を寛解させようと挑戦した結果、めっちゃ悪化してるじゃん」とか「やっぱり薬を飲んでないと俺はだめなんだ」とネガティブな感情になる。しかし、こうやって落ち着いて少し俯瞰して見てみると、むしろ体が自分でバランスを取り戻そうとしてるようにも感じられる。
だから今は、症状そのものに一喜一憂するんじゃなくて、体の声を聞きながら、日々生活をしていく。その中で、少しずつ、ゆっくり焦らずに、本当の意味での安定に向かっていけばいいと思ってる。
この半月は正直しんどい時間もあったけど、ちゃんと振り返ることで、ただの「悪化した」では終わらせない。むしろ、体の変化を前向きにとらえるチャンスだったのかもしれないなと、今はそう感じてる。
まとめ
- 東洋医学は 「体全体のバランスを整え、自然治癒力を高める」
- はり灸は自律神経を整え、腸の働きをサポートする効果が期待できる。
- 免疫バランスを調整し、ストレスを軽減することで、症状の安定につながる可能性がある。
- ただし、即効性はなく、継続的に通うことが大切。
- 9回目は5月前半の症状の出方を下火に向かわせてくれた。
- 5月前半の苦しみが瞑眩反応によるものかは今後の回復次第!
潰瘍性大腸炎は長く付き合う病気だからこそ、薬だけに頼らず、東洋医学も選択肢のひとつとして考えてみるのもアリ。興味があれば、一度専門のはり灸院で相談してみるのもいいかもしれない。また、今後のはり灸の効果に関しては随時更新する予定なので、お楽しみに!
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