潰瘍性大腸炎がかなり悪化した場合、入院生活を余儀なくされる。その時、最初は絶食生活から始まる。今回は、俺が潰瘍性大腸炎で入院してたときに受けた経静脈栄養療法について、実体験ベースで書いていこうと思う。簡単に言うと点滴して絶食を行なうというもの。同じ潰瘍性大腸炎の人や、これから入院を控えてる人の参考になればうれしい。
10日間の入院生活、その中で経静脈栄養療法スタート
潰瘍性大腸炎が悪化して、病院に入院したのは全部で10日間くらいだった。
そのうちの7日間、つまりほぼ1週間は、経静脈栄養療法っていう治療をしてた。
簡単に言うと、片腕の静脈に点滴を刺して、そこから栄養を直接体に流し込む治療だ。
飲み食いは一切なし。完全な絶食状態だった。
ただ、絶食とはいっても、「腹が減ってしょうがない!」みたいなことは意外となかった。
なぜかっていうと、静脈から直接栄養素をもらってるから。
体は「食べてない」けど、「栄養は足りてる」状態になってたんだな。
人間の体ってすげえなって思った瞬間だった。
24時間点滴生活
この経静脈栄養療法、何がつらいかっていうと、24時間ずーーっと点滴に繋がれていること。
寝てるときも、トイレ行くときも、ずっと点滴スタンドと一緒。
スタンドをゴロゴロ引き連れて生活する感じ。
点滴自体はそこまで痛くないんだけど、針がずっと刺さったままだから、ちょっとでも腕を変に動かすとズキっとくる。無意識に腕を曲げたり、寝返りうったりするときに地味に痛い。これが地味にストレスたまる。
しかも、点滴スタンドって意外とデカいし重い。
トイレに行くのも一苦労。
「スタンド持って、点滴のチューブを絡ませないようにして、そーっと移動して、座って…」みたいな、普段なら何秒で終わる動作がすごい大仕事になる。
何かするたびに「よいしょっ」って声が出そうになる。
お風呂も一苦労
数日間は完全絶食・完全ベッド生活だったんだけど、症状が少し落ち着いてきたタイミングで、「そろそろお風呂OKだよ」って言われた。
正直、「うおー!やっと風呂入れる!」って感じで嬉しかった。
…けど、問題はここから。
点滴スタンドは脱着できても、腕に刺さった針(ルート)だけは絶対に抜けない。
つまり、風呂に入るときも、腕には針が刺さったまま。
それを守るために、看護師さんがビニール袋を巻きつけてテーピングで固定してくれた。
この状態でお風呂に入るわけだけど、当然ながらすごく動きにくい。
ビニールとテープでガッチガチに固定されてるから、腕はほぼ使えない。
しかも、間違って水がかかったり、テープが剥がれたら大変なことになるから、常に超慎重モード。
頭洗うのも、体洗うのも、基本片手作業。
「片手だけで頭洗うとか無理ゲーじゃね?」って思った。
でもやるしかないから、めちゃくちゃスローに、そーっと体を洗った。
今思うと、あの風呂タイムが一番「病人してるなぁ…」って実感した時間だったかもしれない。やせ細っていく自分の身体を見ながら苦労して体を洗ったあの頃が懐かしい…
日常生活がどれだけ自由で楽だったかを、痛感した瞬間であった。
絶食なのに空腹感ゼロ
最初は「食べられないなんて、絶対無理だろ」って思ってたんだけど、不思議なことに、全然お腹が空かない。
これはマジでびっくりした。
点滴からちゃんとカロリー(エネルギー)と必要な栄養素が入ってるから、脳が「食べろ!」って指令を出さないらしい。普通なら1日でも飯抜いたら「腹減った〜」ってなるのに、経静脈栄養してると、「あ、別に食わなくていいや」って感じになる。
もちろん「食べたいなぁ〜」みたいな気持ちはある。
特に他の病人が、飯を食っているとき。いい匂いや飯を食べる音に食欲をそそられた、あのつらさは今でも忘れない。
でも、生きるための空腹感は不思議と湧いてこなかった。
※最初は他の病気の患者も含む共同部屋で入院していたが。しかし、潰瘍性大腸炎の便の異常性(下痢、血便等)から、他の患者とトイレを共同利用するのは衛生上よくないと病院側が判断し、数日して個室部屋になった。まじで神対応だったのを覚えている。快適すぎた笑。
まとめ:経静脈栄養療法はつらいけど、命を守る治療
そんな感じで、潰瘍性大腸炎での入院中、約1週間、経静脈栄養療法を体験した。
振り返ると、24時間点滴生活、腕の違和感、お風呂の不便さ、食べられない不自由さ…色々あったけど、結局これがあったから体が回復に向かったわけで、本当にありがたい治療だったと思う。
潰瘍性大腸炎が悪化して、どうしようもなくなったとき、腸を休めることが最優先になる。
そのために、口から食べずに、静脈から栄養をとる。
体を内側からリセットするような感覚だ。
もしこれから経静脈栄養療法を受ける予定の人がいたら、正直つらい部分もあるけど、絶対に無駄にはならないから安心してほしい。そして、回復してきたら、1日1日を噛みしめて過ごしてほしい。
みんなもこの病気でつらいことが何度もあると思うけど、何とか工夫して潰瘍性大腸炎と上手に付き合っていこう!
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