年々増加傾向にある潰瘍性大腸炎の患者数。どうやら俺の知り合いにも潰瘍性大腸炎の人が増えてきたらしい。今回は、俺の後輩K君(仮名)の潰瘍性大腸炎(UC)の発症から現在に至るまでの寛解と再燃の流れに加え、食事と生活についても軽く触れていきたいと思う。自分と違うパターンもあって、かなりリアルな参考になると思う。それでは早速見ていこう。
発症:大学3年の春(2〜4月くらい)
K君がUCを発症したのは大学3年の春。ちょうど就活が始まり、研究室も始まり、単位取得も大変っていう超多忙な時期だった。ストレスMAXのタイミング。
病院で検査してもらった結果は「直腸型」。薬はリアルダを1日4錠。これでいったん寛解状態に落ち着いたらしい。
発症後の食事については、基本は今まで通り。ただ、脂っこいものはちょっと控えているらしい。意外だったのが、海鮮系(寿司、刺身とか)をメインに食べているらしい。生ものだから気にする人も多いけど、本人曰く「脂っこいのを避ける代わりにそこは見て見ぬふりしてた」って感じ。本人的には脂っこいものさえ避けてればそんなに症状が出ないとか。
再燃のきっかけ①:大学4年の夏
次に軽く症状が出たのが大学4年の夏。親戚の通夜で旅館に泊まって、夜に食べ過ぎたら急にお腹が痛くなって血便。本人は「たぶん夕飯を食い過ぎた」と言ってたけど、これもUCあるある。
でもこの時はその日だけで収まって、次の日からは普通に戻った。ただ、この時期は精神的にめっちゃヤバかったらしい。研究の進捗が遅くて教授に毎回詰められるプレッシャーやら研究室の中間発表やらで、「この研究室無理だ…」ってなって、学科長に研究室変えてくれって直談判するくらい追い詰められてた。(因みに研究室変更はできなかったらしい。潰瘍性大腸炎はストレスが一番よくない。だからこそストレス環境を変えられないストレスは尋常じゃないだろうなと俺はこの時思っていた。)
夏休み中には2週間くらい研究室を飛んで、教授の連絡も無視。ガチでメンタルが限界にきてたらしい。
再燃のきっかけ②:大学4年の9〜10月(本格的な悪化)
そして、K君のUCが本格的に悪化したのがこの時期。きっかけは海外旅行。実は旅行前からあんまり体調が良くなかったみたいで、旅行中にさらに悪化。
帰国してそのまま病院に直行。治療は、リアルダ4錠に加えてペンタサが追加。さらにステロイド系のプレドネバ(注腸)も投入。ステロイドはある程度よくなったら中止して、リアルダ+ペンタサのセットは継続。
ここから、いわゆる「ずっと調子悪い期」に突入。下痢と血便が混ざる日が多くなって、完全に安定する日がなくなってくる。
再燃のきっかけ③:大学4年の3月(大再燃)
卒業直前、再び大爆発。理由はまたしても海外旅行。それも2週間くらいで3か国行って、1国行くたびに日本に帰国するという超ハードスケジュール。
しかも秋学期中やここまでの間に、単位取得(なんと4年の秋学期だけで26単位!)、研究の追い込み、教授からの圧の増加、卒論発表、卒論提出、研究の残課題処理、研究室の引継ぎとやることが山積みだ。精神的ストレスはマジでピークだろうなと聞いていて感じた。
この時もリアルダ+ペンタサに、プレドネバを再追加してなんとか持ちこたえた。
社会人になってから:さらなる悪化
K君が社会人になってからも状況は良くならず、むしろ悪化。新入社員の研修中、毎日のように脂っこい弁当を出されて、それが地味にダメージだったらしい。結果、1日8回トイレに行く日も出てきた。
本人曰く、日中はあまり便意がない。でも、食後とか仕事終わりとか、誰かと会っていて別れた後の「ホッとした瞬間」に便意がくる。また、起床後や就寝前なども便意が襲ってくるのだとか。たぶん交感神経→副交感神経に切り替わるタイミングで腸が動くんだろうなと俺は感じた。
このタイミングでレクタブル(ステロイド注腸)も追加されて、今の治療は以下の通り:
- リアルダ4錠
- ペンタサ
- レクタブル
居酒屋とかも会社の同期と普通に行ってて、お酒も数杯くらいなら飲む日もあるらしい(もちろん飲まない日もあるらしい)。
副作用としては、ステロイドでニキビやむくみが出てるっぽい。でも、発症から今までで体重はほとんど減ってないらしい。やはり体重減少するってのははかなり悪化していないと起きない現象なんだなと改めて感じた(因みに俺の場合、入院して体重が8kg落ちてから約1年半経過したが、未だに8kg減ったままだ)。
まとめ
K君のケースを見てて思ったのは、
- ストレスの影響がマジでデカい
- 症状に食事は間違いなく関係ある
- UCってほんとに人それぞれのリズムがある
薬が効くときもあれば、効かなくなるときもある。症状が軽いときは普通に生活してるように見えるけど、裏では常に「また来るかも」っていう不安と戦ってる。
何より、K君が潰瘍性大腸炎じゃなさそうに見えるのが印象的だった。自分の第一印象は「あれ?表情も普通だし、症状は出てるけど、結構活動できてね?」という感じだった。だからこそ自分はつらくなった。潰瘍性大腸炎は第3者が患者を見たり、患者の話を聞いたりすると普通に元気そうに見えてしまうのだ。理由は内臓の病気だから外には見えないからだ。潰瘍性大腸炎の自分でもそう思ってしまうのだから、普通の人だとよりこの苦しみを理解するのは難しいんだろうなと感じた。そして自分もはたから見たら、「思ってたより全然元気そうじゃん!」「大げさなんじゃないか?」などと思われているんだろうなとも思った。
これ読んでくれたUCの人も、K君の体験をちょっとでも参考にしてもらえたらうれしい。自分以外の潰瘍性大腸炎患者の情報を知ることで、寛解や悪化のヒントが得られるかもしれないからね!
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